「テニス肘」ってなに?
私の施術理念は「安心・安全で、お客さまを危険にさらすことのない施術」です。
一人でも多くのお客さまが痛みのない生活を取り戻し、笑顔になってくれることを心から願い、日々施術を行っています。
みなさん「テニス肘」とか、「ゴルフ肘」など、「〇〇肘」という
言葉を一度は聞いたことがありませんか?
でも「この『〇〇肘』ってなんなの?全部違うの?」とか、
「わたしはスポーツしてない。でも肘が痛いんだけど?!」と、
よくわからないなあ~と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はこの「肘」に関する痛みや、
その治療についてお話してみたいと思います。
「テニス肘」とは?
まず、「テニス肘」とは、主に肘の外側が痛くなる
「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」の通称です。
どうしてそれが「テニス肘」と呼ばれているか。
それはバックハンドで打ち返すときの衝撃で、
肘の外側に衝撃がかかり、
痛くなることが多いからです。
これを聞いて、
「あれ?わたしはテニスで内側が痛くなるけど…それはテニス肘じゃないの?」
という方もいると思います。
そうなんです。
当然、フォアハンドで打つ場合は逆に内側に負担が大きく、
痛くなることがあります。
ですから、これも「テニス肘」と言われてもおかしくないですよね。
つまり、外側に痛みが出る人が多かったため、
「テニス肘=外側上顆炎」となってはいますが、
もちろんテニスで内側に痛みが出る人もいますし、
それはおかしいことではありません。
呼ばれ方の問題であり、実際はテニスだから痛むのは外側、
と決まっているわけではないんですね。
ちなみに「ゴルフ肘」はスイングの時に肘の内側に痛みが出る人が多いため、
「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれています。
ただこちらも同じで、ゴルフをしていて外側に痛みが出る場合もあります。
ですから、外側だからテニス肘、内側だからゴルフ肘、というよりは、
何か原因があって肘に痛みがある、
それが外側であれば「上腕骨外側上顆炎」
内側であれば「上腕骨内側上顆炎」と呼ぶ、ということなんです。
そして、何と呼ぶか、なんて名前は大切じゃありません。
どうして起きるのか、そして起きてしまったらどうすればいいのか。
それを知ることが大切です。
そして「上腕骨外側上顆炎/内側上顆炎」はと言葉が難しいですから、
ここでは肘に関する痛みを全部「テニス肘」と呼ぶことにしましょう。
どうして起きるの?
ではまず「テニス肘」はどうして起きるのでしょうか。
「テニス肘」はテニスをする人はもちろん、ゴルフや、
同じラケットスポーツのバドミントン、卓球、あとは剣道などでも起こります。
また、スポーツをしていなくても、フライパンを振るシェフや、
デスクワークでのパソコン作業、買い物袋を持つことなどでも起き得るのです。
これらに共通していることは、「同じ箇所に負担がかかり続ける」ことです。
同じ動きで同じ筋肉ばかりが使われ、その筋肉の付いている場所、
つまり肘の周辺で炎症を起こし、それが痛みとなります。
特に手首を動かすことで手首から肘についている筋肉を酷使します。
また、手首を一定の状態に保つようなパソコン作業でも、
同じ角度を保つために筋肉が緊張しっぱなしになり、
それが筋肉の付け根である肘の痛みにつながります。
ですから、
・スポーツや仕事で同じ動作を繰り返すこと
・パソコンで長時間手首を同じ角度で作業すること
・日常生活で重いものを手で下げて持つこと(スーパーの袋など)
などが原因として考えられます。
また、使いすぎとは逆に、加齢などにより筋肉が低下し、日常生活での負担に耐えられないことで、
痛みにつながることもあります。
どんな症状がおきるの?
「テニス肘」は筋肉がついている軟部組織の炎症、
そして前腕の筋肉自体の炎症であることが多いです。
程度によって、腫れたり、熱をもったりすることもありますが、
痛みがあるだけで外からはわからないケースもあります。
痛みは肘だけのものも、肘から腕にかけて痛むこともあります。
最初は痛みが強かったり、痛みが出っ放しなこともありますが、
長引くと、使うときだけ痛んだり、鈍い痛みになったりします。
安静にして使わなければ痛くない、ということも多いため、
使うときだけ我慢して放っておいてしまい、
長引いてしまうこともよく見られます。
症状が悪化すると、軽いものも持てなくなるなど日常生活に
支障をきたす場合もあるので、油断は禁物です。
応急処置
では「テニス肘」になってしまったら、どうすればいいのでしょうか。
まず痛みが出た直後は、再三みなさんにお伝えしているアイシングです。
ただ、慢性的に痛みが続いている場合は、冷やした方がいいのか、
温めた方がいいのか判断に困ることがあると思います。
そのような場合は速やかに専門家の判断を仰ぎましょう。
そして原因となっている動作がわかっている場合は
「それをしない」というのが一番の方法です。
ただ、それが避けられない場合は、なるべく負担がかからない体勢を考えたり、
スポーツであれば道具ややり方を換えたり、
少しでも他でカバーする方法を考えなければなりません。
そのあたりも踏まえて、次回は医療機関での治療法や、
リハビリ、予防法についてなど、お話していきたいと思います。
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